フクロウを連れて、据え回しを行うことは、フクロウ飼育者にとって楽しみの一つでしょう。
私は、最初の頃SNSを見て、皆がやっているフクロウとの散歩に憧れて、見よう見真似で外に連れ出したけど、当初のやり方を思い出すとかなり危険でした。
今回は、据え回しの注意点について、自分の経験も交えながら書きます。
据え回しとは?
腕の上にフクロウをのせて、外を歩くこと。
メリットとして、飼い主との信頼関係が築けると言われています。
鷹匠の調教過程の1つです。
フクロウを外に連れ出す時のリスク
ロスト
フクロウが離れて飛んで行ってしまい、捕まえられなくなることです。
気候の影響で体調不良になる
暑すぎる、寒すぎる、風が強すぎる、感染症に罹るなど。
危険な物が多い
フクロウを狙うカラス、人、車や自転車など
これらのことは、対策さえしていればリスクを軽減できます。
それぞれの対策
ロスト対策
小型でも、必ずリーシュを身体にくくり付け結ぶようにしてください。
手にぐるぐる巻きにする、犬の散歩のように紐を握るだけは絶対ダメです。
できれば猛禽類用のグローブを購入し、グローブに紐を結んでください。
ダブルリーシュという方法もあります。
グローブだけだとグローブが抜けてしまった時身体から離れて、飛んで逃げてしまう可能性があります。
小型なら、グローブが重くて遠くまでは行かないかもしないけど、大型になるとそのまま遠くへ行きます。
オナガフクロウのふぐ(220g)ですら、65gほどのグローブを咥えて飛んで運べました。
グローブに結ぶリーシュと、さらに腕に直接リーシュを巻きつけ結ぶ。
これは、特別なリーシュでなくとも、余ったリーシュをジェスにつけ、ぐるぐる腕に巻いて結べばいいだけです。
誰でも簡単にできるのでおすすめです。
初めてあもを据え回ししたのは、お迎え後6ヶ月くらい。
最初は腕に結ぶだけで素手に据えていましたが、革グローブを買って穴を開けてハトメをつけ、そこにリーシュを結べるようにしました。
作ったらきちんと安全性を確かめて使用しましょう。
気候対策
暑すぎる、寒すぎる、風が強すぎるなど、普通に考えればそんな日に散歩させなきゃいいですが、病院の移動などでどうしても外に連れ出す必要がある場合もあります。
そういう時の対策の一例を載せます。
・暑い 保冷剤 携帯用扇風機
・寒い カイロ キャリーバッグの上から布覆う
・風が強い 風除けのため布を覆う
鳥インフルエンザが流行っている時はなるべく据え回しは避けた方がいいと思いますが、家から近い場所や、鳥などがあまりこない(鳥の糞がない)場所を選んで日光浴・据え回しをするのは良いと思います。
散歩だけでなく、自分自身が外から持ち込むこともないように、気をつけましょう。
危険な物対策
人が多く車通りが多い場所に連れ出さなければいいです。
散歩コースをよく考え、人通りの少ない時間帯などに出かけましょう。
カラスは危険です。特に、春頃カラスの子育てが多くなると、襲ってきやすくなります。
日傘のようなものを使ってカラスが襲ってこないように対策する方法もあるようです。
また、結構厄介なのが話しかけてくる人です。もちろん話すことは問題ないですが、長話しているうちにフクロウのことを気にすることができなくなることもありえます。
最初のうちは挨拶程度で、早々に切り上げる方が無難かもしれないです。
色々書いてきましたが、私はあまり据え回しをしていなくて、普段は屋上日光浴が多いです。
フクロウを外に出すメリット
フクロウと外に出ることは、主に2つメリットがあると思います。
・太陽光を浴びることでビタミンDの形成を促す
・飼い主との信頼関係の形成
ビタミンDの生成でカルシウムを作り骨を強くする
本来外で生活する動物は、室内にいるだけだと生きていくのに必要なものが得られません。
一番大切なものが、太陽の光です。
太陽の光にはビタミンDの生成を促す紫外線が含まれています。
ビタミンDはカルシウム形成に必要な成分です。
カルシウムが少ないフクロウは、骨がスカスカになり骨折しやすかったりします。
また、くる病という病気になると、全身が脱力したり、足の麻痺によって立ち上がれなくなることもあります。
室内の窓越しだと、紫外線が届かないので、外にでて直接太陽光を浴びる必要があります。
信頼関係を形成する
そもそも、何故飼い主と信頼関係を築く必要があるのでしょうか?
自然のままのフクロウ、自由気ままに家の中を飛び回って生活して欲しい、私はあもをお迎えしたばかりの時はそう考えていました。
しかし、色々な方に話を伺う中で、自由ばかりがフクロウにとって良いとは限らないと知りました。
一緒に生活する以上、人間に慣れてもらうことが一番大事です。
人間をストレスに感じてしまうような個体だと、ストレスで早く亡くなってしまう可能性もあると聞きます。
据え回しをすること自体も確かにストレスを与えることだけど、夜間の据えから初めて、徐々に慣らしていくことで、一緒にいる飼い主を信頼するようになります。
また、外に連れ出すことは据え回し以外にも、病院やメンテナンスの移動などがあります。
それらのストレスに慣らすためにも、一緒にいる飼い主を信頼してもらい、家の外の環境に出ることに慣らせておくことも大切だと思います。
フクロウに水浴びをするメリット
フクロウに水浴びをする理由はいくつかあります。まず一つ目は、身体についた汚れを落とすことです。身体には汚れの他に菌であったり、時々寄生虫などがついている可能性もあります。
また、水浴びをする流れで、フクロウが水を摂取することもできます。普段水をあまり飲まない子でも、水浴びの際はごくごく水を飲んでいます。
我が家は気候に応じて寒い日や曇っている時は水浴びをしなくなることもありますが、晴れた日は絶好の水浴び日和。せっせと霧吹きで水を吹きかけます。
フクロウを外に出す際に一番注意していただきたいこと
フクロウや猛禽類を外に連れ出すとき必ず注意していただきたいことがあります。
絶対にロストさせないこと!
据えまわしの時は必ずリーシュをどこかに結ぶこと!
2本のリーシュを使ったダブルリーシュ、おすすめします。
外で別の場所に繋留させる時、フクロウが飛んでいって紐が外れてしまいロストしてしまったという話も聞きます。
そういうことがないためにも気をつけて下さい。
据え回し時には、霧吹きや(暑さ対策、掃除に便利)、ティッシュ、ビニール袋を用意しています。
水を飲ませるように皿を持って行かれる飼い主さんもいます。
外で起こり得そうなことを想像してしっかり準備をして楽しい据え回しをしてください。
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